BLOG

ブログ

sun

子供の受け口は様子見していい問題ではありません

【ブログ:Vol.10】

前方に引くだけでは足りない|呼吸まで守るランパセラピーの工夫

「うちの子、少し受け口かもしれないんですが、そのうち治りますよね?」

気持ちは分かります。まだ小さい、様子を見たい、できれば自然に解決してほしい。親御様としては当然の気持ちです。

※画像の鮮明化にのみAIを使用しています。

※反対咬合とは、下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせのことです。

ただ、「様子を見ていたら自然に治った」というケースより、「成長とともに骨格のズレが目立ってきた」というケースの方を、はるかに多く、私たちは見ています。

もう一つ、誤解されがちなことがあります。受け口(反対咬合)というと「下の顎が大きい」「下の顎が出ている」というイメージを持たれがちですが、多くの場合、原因は下顎ではありません。上顎が、十分に成長していないことが原因になっているケースが少なくないのです。

だからこそ、治療の方向性が大切です。上顎を前に引くだけでは、実は十分ではないことがあります。本当に目指したいのは、前へ、そして上へーー「上前方」という方向への成長です。

■なぜ「様子を見ましょう」が怖いのか

受け口(反対咬合)を、放置している間も成長は続きます。上顎の骨格の問題がそのまま進行すれば、成長が終わった後に取れる手段は、大きく狭まります。

最終的に外科手術が必要になるケースがあります。顎の骨を切る手術です。成長期の今しかできない介入を先送りにした結果として、その選択肢しか取れなくなるケースがあります。

だから「様子を見ましょう」という言葉に、私は慎重になります。

■受け口について、知っておいてほしいこと

受け口というと、「下の顎が大きい」「下顎が出ている」というイメージを持つ方が多いと思います。

でも、実際に診ていると、多くの受け口は下顎の問題ではありません。上顎が、十分に育っていないことが原因になっているケースがほとんどです。

上顎が育たないまま、下顎だけが成長の順番通りに追いかけてくる。その結果として、相対的に下顎が「前に出て見える」状態になる。これが、受け口の多くで起きていることです。

遺伝だから仕方ない、と言われることもあります。でも、それを確かめる検査をしている医師が、どれほどいるでしょうか。成長期に上顎に働きかければ、改善できるケースは多くあります。

■上顎の劣成長を引き起こす最大の要因が「口呼吸」

舌圧と頬圧・唇圧の関係を示すイラスト

イラストは、舌が正しい位置にある状態のときに働く内外の圧力バランスを示しています。

口呼吸では舌が上顎につく位置になく、低い位置にあるため、上顎を内側から支えられず、成長のための力のベクトルが得られません。

口呼吸が続くと、上顎は横にも前にも広がりにくくなります。

 

■根本治療を目指す「ランパセラピー」

「上顎が育っていない」ーーこれが、現代の小児矯正において最も重要な視点です。

必要なのは、歯を並べることではありません。上顎を正しく成長させることです。上顎を「前へ、そして上へ」引き上げることで、上顎は元々成長したであろうかたちに近づきます。そうすれば、舌が正しい位置に収まりやすくなります。歯並びは、その結果としてついてきます。

舌が上顎につかない(口呼吸)ことによる骨格への影響を示すイラスト

お子様の受け口が気になるーーそれは自然なことです。

ここで一点、お伝えしたいことがあります。上顎が育たないことで、歯並びだけではなく、鼻腔や気道にも影響が及ぶ可能性があります。上顎が育たないということは、舌が上顎についていないからです。舌が上顎につかなければ、上顎は重力に引かれ、落ちてきます。そして、上顎骨は歯が並ぶ土台であると同時に鼻にも関わる骨です。

つまり、問題は「呼吸」にも及んできます。

受け口治療に使われる一般的なフェイスマスク療法は、上顎を「前、そして下方向」に引く設計が多いです。つまり、受け口は改善できても、上顎が下方へも動くことで顔が縦に伸び、鼻腔や気道の改善までは届かないことがあります。これは研究でも報告されていることです。

私たちが「上前方」へのベクトルにこだわる理由は、ここにあります。歯並びを整えながら、呼吸も守る。そのために、力の方向が大切なのです。

矯正器具を装着している子ども

前だけではなく、上方への力のベクトルを得られる構造が、ランパセラピーの工夫です。

顔の外部に取り付ける特殊な装置を使用し、上顎の骨全体を「前、そして上方向」へと立体的に牽引します。

受け口は、「歯が反対に噛んでいる状態」ではありません。成長途中の骨格から、お子様が発しているSOSサインです。

歯だけを見るのか。骨格まで見るのか。

その違いが、将来の顔立ちや呼吸、そして治療の選択肢を大きく左右します。私たちは、受け口を「歯並び」ではなく、「成長」の問題として診ています。

もし「そのうち治るかもしれない」と迷われているなら、一度だけでも骨格を評価してみてください。

様子を見るという選択も、骨格を知った上で選ぶのと、知らずに選ぶのとでは意味が大きく違います。

ご予約・ご相談
RESERVATION

当院は完全予約制で診療を行っています。
ご予約はお電話・オンラインで承っております。
お急ぎの方は、お電話でお問い合わせください。

お気軽に
ご連絡ください!
8:30 - 13:00
14:00 - 18:00

休診日: 金・日・祝
※学会出席・研修・祝祭日により、診療日・休診日が変更になる場合があります。