BLOG
ブログ
歯が一本もない時期から、歯並びは始まっている
【ブログ:Vol.12】
赤ちゃんは、自分で「息がしづらい」と伝えることができません
8と8で「歯(8)並び」——8月8日は「歯並びの日」です。
歯並びというと、永久歯が生えそろってから、矯正で「治す」ものというイメージを持っている方が多いと思います。でも私たちは、歯並びの土台(骨格)は、赤ちゃんのころ、お口の中にまだ歯が一本もない時期から、すでに作られ始めていると考えています。
今回は、赤ちゃん歯科の診療で私たちが最初に確認している「小さなサイン」と、その背景にある身体の仕組みについてお伝えします。
■赤ちゃん歯科が最初に見るサイン
赤ちゃんは、言葉で自分の不調を伝えられません。だから私たちは、次のようなポイントを丁寧に確認しています。
- お口が開いたままになっていないか。
- 眠っているときにいびきをかいていないか。
- いつも同じ方向ばかりを向いていないか。
- 寝返りをする時期になっても、あまりしようとしないか。
- 抱っこのとき、縦抱きばかりを好んでいないか。
これらは一つひとつ見ると、「眠いだけ」「疲れているだけ」「個人差」「抱かれ慣れているだけ」と、よくあることに思えるかもしれません。でも私たちは、そのサインの背景にある「なぜそうなっているのか」まで確認することを大切にしています。
■サインの根っこは、すべて繋がっている
一見バラバラに見えるこれらのサインは、身体の中で一つに繋がっています。
首や肩まわりの筋肉に緊張があると、舌を支える舌骨の位置が下がります。舌骨が下がれば舌も一緒に下がり、上顎を内側から支える力が弱まります。支えを失った上顎は、成長の方向を変えていきます。舌が上顎から離れることは、そのまま口呼吸の始まりでもあります。
何かのきっかけが口呼吸に繋がり、それが骨格の成長に影響していく。赤ちゃん期のサインは、独立した出来事ではなく、ひとつながりの現象として見る必要があります。
肩甲舌骨筋などの緊張が舌骨を下げる
舌骨は舌と下顎を下げる
舌が上顎につかない→歯の生える土台や空気の通り道を狭くさせる
■抱っこの姿勢は、顎と呼吸の発育を左右する
毎日の「抱っこ」も、赤ちゃんの発育に大きく関わっています。
近年主流になっている、大人の体の前側で縦抱きする抱っこ紐。このとき、赤ちゃんの首が後ろに倒れると、舌を支える筋肉や舌骨も下方に引っ張られ、舌の位置が下がります。
赤ちゃんの背骨は、生まれたときは丸くカーブした状態(Cカーブ)にあります。このカーブが自然に保たれる抱き方が、赤ちゃんの身体への負担が少ない体勢です。
縦抱っこそのものがよくないわけではありません。ただ、首や体幹の発達が十分でない時期に「頭を後ろに預けやすく楽な姿勢」が習慣化すると、首の反りや舌の位置の変化が起こりやすくなることがあります。縦抱っこを好むこと自体を心配する必要はありません。ただ、そのときの首の角度や頭の位置には、ぜひ目を向けてみてください。
■「なんとなく気になる」その直感を大切に
「うちの子、向き癖があるかも」「縦抱っこが好きみたい」——そう感じることは、とても大切な第一歩です。毎日そばで見ているからこそ気づける変化があり、その「なんとなく」は、多くの場合、正しい直感です。
ただ、その気づきを「では、どうすればいいのか」に繋げるためには、「なぜそうなっているのか」を確認することが必要です。姿勢の癖なのか、筋肉の緊張の偏りなのか、それとも別の要因なのか。原因が分からなければ、対処のしようがありません。
インターネットや動画にあふれる情報は、一般論としては役立ちます。でも、「我が子に今、何が起きているか」までは教えてくれません。
私たちの赤ちゃん歯科では、口腔内スキャナーによる計測も含め、赤ちゃんの成長を総合的に拝見した上で、お子様ごとの状態をお伝えしています。
■知識を実践に変える場所
知識を「我が子に合った実践」に変える場として、当院では「赤ちゃんセミナー」を開催しています。
「はじめての赤ちゃん歯科総論」から、抱っこの仕方、からだの見方、マッサージまで、実際にお会いして、それぞれの赤ちゃんの状態を拝見しながらお伝えしています。
私は、歯科医師になる前、産婦人科で看護師として働いていました。妊娠期からの母子の身体の変化を見てきた立場と、歯科医師としてお口の発育を診る立場、その両方から赤ちゃんの発達をお伝えできることが、私たちの特徴です。
特にマッサージは、首や肩まわりの筋肉の緊張をほぐし、鼻呼吸をしやすい身体の状態を整えると同時に、親子のスキンシップとして赤ちゃんの心の安定にも繋がります。愛情表現と医療的なケアが、一つの行為の中で両立している。それが、私たちがマッサージを大切にしている理由です。
赤ちゃんセミナーの様子
■口育がうまくいけば、矯正は必要なくなるかもしれない
赤ちゃんは、自分で「苦しい」「息がしづらい」と伝えることはできません。
だからこそ、私たち大人が、その小さなサインに気づいてあげることが大切です。
赤ちゃん期からの口育が正しく実践できれば、お子様が将来、矯正治療そのものを必要としなくなる可能性があります。歯並びは、骨格が正しく育った結果として、自然についてくるものだからです。
私たちの目標は、ランパセラピーを受けてもらうことではありません。まして、矯正治療を増やすことでもありません。
赤ちゃんの頃から、正しい呼吸、正しい姿勢、正しい骨格を育てることで、「そもそも矯正が必要ない子どもを増やすこと」です。
それが、赤ちゃん歯科です。
もし成長の途中で骨格の劣成長が進んでしまった場合には、その次の選択肢としてランパセラピーがあります。
赤ちゃん歯科とランパセラピーは別の治療ではありません。どちらも「子どもの未来を守る」という同じゴールへ向かっています。
「歯並びの日」のこの機会に、ぜひ我が子の「小さなサイン」に目を向けてみてください。
ご予約・ご相談
RESERVATION
当院は完全予約制で診療を行っています。
ご予約はお電話・オンラインで承っております。
お急ぎの方は、お電話でお問い合わせください。
お気軽にご連絡ください!
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8:30 - 13:00 | ● | ● | ● | ● | / | ● | / | / |
| 14:00 - 18:00 | ● | ● | ● | ● | / | ● | / | / |
休診日: 金・日・祝
※学会出席・研修・祝祭日により、診療日・休診日が変更になる場合があります。