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子どもの不正咬合とは|種類・原因・家で気づけるサイン

【ブログ:Vol.13】

不正咬合とは
歯並びや上下の噛み合わせが
本来の状態からずれていること

不正咬合には、出っ歯(上顎前突)、受け口(反対咬合)、ガタガタの歯並び(叢生)などの種類があります。

決して珍しいものではありません。厚生労働省の調査(平成28年歯科疾患実態調査)では、12〜20歳で叢生のある人だけで、約4人に1人でした。

不正咬合の種類は、見た目による分類です。その奥には、顎の骨格の育ち方や、舌の位置・呼吸といった、種類をこえて共通する原因が隠れていることがあります。

仕上げ磨きのとき、写真を見返したとき、健診のあと。気付いたのは、あなたが毎日お子様の顔をよく見ているからです。

遺伝、生活習慣——歯医者さんでいろいろ言われることがあると思います。ですが、自分を責めないでください。歯並びは、何か一つのことで決まるものではありません。

この記事でわかること:

  • 不正咬合の8つの種類と、家で気づけるサイン
  • 不正咬合の主な原因
  • 子どもの不正咬合は自然に治るのか
  • 何歳から相談できるか、保険は使えるか
  • 今日、家でできること

■不正咬合の種類一覧

子どもの代表的な不正咬合として、次の8つがあります。

種類 どんな状態か サイン
上顎前突上の前歯が下の前歯より大きく前に出ている口を閉じにくそう・唇から前歯がのぞく
反対咬合下の前歯が上の前歯より前に出ている「イー」で下の歯が前・横顔で下唇が前に出る
叢生歯が重なったり、ねじれて生えている歯ブラシが入りにくい場所がある
開咬奥歯で噛んでも前歯が閉じない前歯で噛み切れない・舌が前歯の間から見える
過蓋咬合噛み合わせが深く、下の前歯が隠れる噛むと下の前歯がほとんど見えない
交叉咬合一部の歯だけ上下の噛み合わせが逆顎先が左右どちらかにずれている
上下顎前突上下の歯がどちらも前に出ている口を閉じるとあごに梅干しのようなしわ
空隙歯列歯と歯の間にすき間がある乳歯のすき間は多くの場合、心配いらない
  • 上顎前突ーじょうがくぜんとつ(出っ歯)
  • 反対咬合ーはんたいこうごう(受け口)
  • 叢生ーそうせい(ガタガタ歯並び・八重歯)
  • 開咬ーかいこう(オープンバイト)
  • 過蓋咬合ーかがいこうごう(ディープバイト)
  • 交叉咬合ーこうさこうごう(クロスバイト)
  • 上下顎前突ーじょうかがくぜんとつ(口ゴボ)
  • 空隙歯列ーくうげきしれつ(すきっ歯)

■出っ歯(上顎前突)

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上の前歯が前に出ている状態です。ただし、上の歯が出ているとは限らず、下顎が後ろに下がって、上が出ているように見えていることもあります。

■受け口(反対咬合)

受け口(反対咬合)イラスト

下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。「下顎が大きい」と思われがちですが、上顎が十分に育っていないために、相対的に下の歯、もしくは下の顎が前に出て見えていることが少なくありません。

■ガタガタの歯並び(叢生)

叢生の状態を示すイラスト

歯が重なったり、ねじれて生えている状態で、八重歯も叢生の一つです。「歯が大きいから並ばない」と説明されがちですが、多くの場合、歯が大きいのではなく、歯が並ぶ土台(顎)が育ちきっていないのです。

■オープンバイト(開咬)

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奥歯で噛んでも前歯にすき間がある状態です。指しゃぶりや舌を前に出す癖と関わりが深く、舌が普段どこにあるかが大きく影響します。

■過蓋咬合・交叉咬合・上下顎前突

過蓋咬合は噛み合わせが深すぎる状態、交叉咬合は一部の歯の噛み合わせが逆になり顎が左右にずれる状態、上下顎前突は上下の歯がともに前に出ている状態です。交叉咬合は成長とともに顎のずれが大きくなることがあります。

■すきっ歯(空隙歯列)

乳歯のすきっ歯は、多くの場合心配いりません。乳歯の間のすき間は、ひとまわり大きな永久歯が並ぶための場所です。むしろ乳歯がすき間なく並んでいるほうが、永久歯の場所が足りなくなることがあります。

■不正咬合の主な原因

子どもの不正咬合の原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって起こります。主なものは次のとおりです。

  • 遺伝的な傾向:顔立ちや顎の形の傾向を受け継ぐことがあります
  • 舌の位置と口呼吸:舌が上顎についていないと、上顎を内側から支える力が失われます
  • 癖:指しゃぶり、舌を前に出す癖、頬杖、片側だけで噛む癖など
  • 乳歯のむし歯や早い抜け落ち:永久歯の生えるスペースが失われることがあります
  • 顎の骨格の成長:上の要因が重なって、顎の育つ方向が変わります

種類は違っても、原因は共通していることがあります。出っ歯、受け口、ガタガタといった種類の違いは、同じ原因が、子どもによって違う形で現れた結果であることがあります。

舌は本来、上顎にぴったりとついて、上顎が前へ、上へと育つのを内側から支えています。お口がぽかんと開いていると、舌は下に落ち、その支えがなくなります。

その時、ある子は出っ歯として、ある子は受け口として、ある子はガタガタとして現れる。不正咬合は、その子それぞれに現れた「症状」なのかもしれません。

「口を閉じなさい」と何度言っても閉じられない子がいます。できないのには、理由があります。

■子どもの不正咬合は自然に治る?

乳歯のすきっ歯や、生え替わりの時期の一時的な歯の傾きは、成長とともに変わることがあります。一方で、顎の骨の育ち方が関わっている不正咬合は、自然に元に戻ることは期待しにくくなります。

どちらなのかは、見た目だけでは判断できません。歯は生え替わりますが、顎の骨は生え替わるものではありません。毎日少しずつ、育つ方向が決まっていきます。だからこそ当院は、◯歳までは様子を見ても大丈夫というお伝えをしません。

■「様子を見ましょう」と言われたら

治療が必要かどうかと、今の状態を知る必要があるかどうかは、別の話です。

健診で「生え替わるまで様子を見ましょう」と言われることはよくあります。急いで治療を決める必要はありません。けれど、「何を見て、様子を見るのか」は確かめてください。

■何歳から相談できる?

子どもの歯並びの相談に、年齢の線引きはありません。赤ちゃんのうちから、お口の育ち方を見ることができます。

顎の骨格に働きかける治療は、骨がやわらかい成長期のほうが選択肢が広がります。

■不正咬合の治療に保険は使える?

子どもの一般的な矯正治療は、保険の対象外(自費診療)です。

例外として、厚生労働大臣が定める先天性の疾患による噛み合わせの異常、永久歯の前歯・小臼歯が3本以上生えてこないことによる噛み合わせの異常、手術が必要な顎変形症などは保険が適用されます。保険で矯正治療ができる医療機関は限られています。

※当院の小児矯正(ランパセラピー)は自費診療です。

■今日、家でできること

特別な道具はいりません。お子様を少しだけ注意して見てみてください。歯並びが悪いことは視覚から分かります。気付けたことに意味があります。もし、お子様の歯並びに心配がありましたら、これらの行動がないか——確認してみてください。

  • テレビを見ているとき、口が開いていないか
  • 寝ているとき、いびきをかいていないか、首を反らせていないか
  • 食べるとき、くちゃくちゃと音を立てていないか、丸のみしていないか
  • 座っているとき、背中が丸くなっていないか

そして、お子様の横顔の写真を、たまに同じ角度で撮ってみてください。毎日見ていると気付きにくい変化も、写真を並べるとはっきり分かります。医療機関に相談する際に、何よりの資料になります。

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